メンバー紹介

保高 英児

名誉代表

保高 英児

Eiji Yasutaka

サプライチェーン ロジスティクス研究会名誉代表。
東京都出身、早稲田大学理工学部卒。
 
武田薬品工業(株)に入社、生産設備等の設計、コンピュータテクノロジーの導入等に従事。1971年、物流管理部発足に伴い、物流システムの開発/物流センター構築に従事。また医薬営業本部と連携し、医薬品在庫管理システムの開発運用に従事。仕入医薬品在庫管理システム開発では在庫半減、品切れ9割減、運賃3割減の成果をあげる。さらに医薬営業本部の要請で医薬品特約店卸約50社に対し、在庫管理/物流管理システムの構築・導入を支援、在庫減や品切れ減等の成果のほか、受発注データや納品データのオンライン自動授受や即日納品を実現、JD-NETに3年先行した開発だった。仕入れ先から武田薬品、さらに特約店にまたがる3段階の一気通貫在庫管理システム構築は、SCM概念の日本上陸に10年ほど先行する1980年頃の「企業間SCM」の実現でもあった。 1980年代以降は、食品・畜産・農薬・化学品事業とも連携し事業特性に見合う物流効率化を提言、支援した。1990年代以降は、運賃体系の事業部間格差、地域間格差の是正にも取り組んだ。

  1998年に同社を退職、「サプライチェーン ロジスティクス(SCL)研究会」を設立、コンサルティング・講演・執筆活動を始める。2001年1月より2021年12月まで、医薬品業界誌『ミクス』に「医薬品流通ロジスティクス講座」、「医薬品流通フロンティア」、「未来型バリューチェーンモデルへの挑戦」を継続して連載。『国際医薬品情報』にも研究会メンバーと、随時、業界の流通への問題提起記事を寄稿。

  しかし医薬品開発が生物学由来/遺伝子由来など高分子薬時代に入り欧米のメーカー/ベンチャーが先行する中、実質的毎年薬価改訂が始まり、2020年、2021年の公取委の卸への談合問題への立入り調査/課徴金支払い命令が出るなど、卸経営は展望を欠く苦境に入ったかの感さえ漂う。背景には偏在し収斂しない薬価差問題、採算割れの低薬価問題、後発薬を筆頭とする品薄、品切れ問題など、医薬品流通に関わる多角的/基幹的問題が滞留し、早急な解決が求められている。

  一方、サラリーマン時代の1980年、古代出雲の魅力…神話にあって遺跡発見がない…に惹かれ、中学時代の友人・村田洋治氏等と「ザ・出雲研究会」を結成、1983年には「古代出雲イラストガイドブック」を刊行した。すると翌年の1984~85年にかけ、出雲市(旧斐川町)の荒神谷遺跡から弥生時代の銅剣358本、銅矛16本、銅鐸6個が出土、考古学的に出雲は大和と筑紫を取り持つ一大勢力と証明された。我々の「マップ」刊行を、出雲の神々が祝っての大発見だろう。さらにサプライズは続く。12年後の「出雲国風土記フシギ発見の旅ガイドブック」刊行の翌年、雲南市(旧加茂町)の加茂岩倉遺跡から日本最多の39個の銅鐸が出土、これも我々の刊行への神々の祝意と謹受する。2000年には「山陰中央新報」への週一の新聞連載「古代出雲の影」を1年5ヶ月にわたり連載、2008年には「日本列島に映る『古代出雲』紀行」として刊行した。

著書

  • ザ・出雲研究会(1983年)「古代出雲イラストガイドマップ」同会刊(増補版7刷)
  • ザ・出雲研究会(1995年)「出雲国風土記 フシギ発見の旅ガイドブック」同会刊(増補版6刷)
  • 保高英児(2007年)「ここまで来た医薬品流通改革 ― 主役となった卸の実力に迫る」エルゼビア・ジャパン社(2刷)
  • 保高英児(2008年)「日本列島に映る『古代出雲』紀行」明石書店 1,695円(2刷)
  • 保高英児(2009年)「変化がわかる医薬品流通 09~10」メディカル・パブリケーション社。
  • 保高英児(2012年)「新薬創出加算と流通透明化、後がない卸経営」エルゼビア・ジャパン社。